パックご飯など輸出統計新設

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要点

  • 農林水産省は令和9年1月分の財務省「貿易統計」から、パックご飯や即席味噌汁など9品目の輸出統計細分を新設すると発表
  • 現行統計では個別の輸出実績が把握できなかった品目について、輸出先・金額・数量が正確に分かるようになる
  • 2030年の農林水産物・食品輸出額5兆円目標に向け、品目別の輸出施策立案に活用される見込み

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何が決まったか

令和8年10月30日、農林水産省は財務省「貿易統計」において、令和9年1月分から新たな輸出統計細分を設けることを公表しました。対象となるのは、海外での需要が高く輸出拡大が期待されながらも、現行の統計区分では個別の輸出実績を把握できていなかった9品目です。

現在の貿易統計は品目分類(HSコード)が大くくりになっているため、例えばパックご飯は米加工品全体の中に埋もれてしまい、どの国にどれだけ輸出されているかが見えにくい状態でした。今回の改正により、これらの品目ごとに輸出先国・金額・数量が個別に集計できるようになります。

新設される9品目は以下のとおりです。

品目

統計番号(輸出統計細分)

概要

包装米飯(パックご飯)

1904.90-011

米食文化のない国・地域での需要拡大に期待

炭酸飲料

2202.10-100

ラムネ等の特徴的な容器の商品が海外で人気

醤油加工品

2103.90-600

出汁醤油など、手軽に和食の味を再現できる商品

即席味噌汁

2104.10-100

海外でも味噌汁を手軽に楽しめると人気

冷凍ピザ、冷凍たこやき等

1905.90-800

日本の冷凍技術を活かした加工食品

こんにゃく

2106.90-400

低カロリー・高食物繊維で欧米の健康志向層に人気

牡蠣のむき身

0307.12-100

アジア圏の鍋料理・炒め物向け需要を想定

カキフライ

1605.51-910

欧米を中心に輸出先国の広がりに期待

干し貝柱

1605.52-100

アジア圏のスープ・炒め煮での利用を想定

背景と経緯

農林水産省は2030年の農林水産物・食品の輸出額5兆円目標の達成に向け、貿易統計を基に品目ごとの輸出実績を分析し、輸出施策を講じてきました。しかし、現行の統計区分では、海外でも需要が高いとされるパックご飯や即席味噌汁などの輸出実績を正確に捉えられないという課題がありました。

このため同省は、食品事業者や業界団体と意見交換を重ね、輸出拡大が期待できるにもかかわらず統計上把握できていない品目を特定。その結果を踏まえて検討を行い、複数品目について輸出統計細分を新設することになりました。検討の詳細は「農林水産物・食品の輸出統計細分の令和9年改正要望に向けた検討会」で公開されています。

影響を受ける主体

  • 輸出事業者・食品メーカー:自社製品の輸出実績が統計上見える化されることで、販路拡大や投資判断の根拠データとして活用しやすくなる
  • 産地・JA:米や水産加工品(牡蠣、ホタテ)の輸出動向を品目別に把握でき、産地としての輸出戦略を立てやすくなる
  • 農業ベンチャー・アグリテック企業:輸出データの精緻化により、輸出支援サービスや需要予測ツールの開発材料が増える可能性がある
  • 行政・業界団体:品目別の実績データに基づき、より的を絞った輸出施策や予算配分の検討材料が得られる

経営・投資判断への示唆(考察)

ここからは事実に基づく考察です。統計細分の新設自体が直接的な補助金や規制強化を意味するものではありませんが、品目別の輸出データが精緻化されることで、国・自治体が策定する輸出支援策の対象品目選定に影響する可能性があるとみられます。該当する9品目(パックご飯、即席味噌汁、炭酸飲料、醤油加工品、冷凍食品、こんにゃく、牡蠣のむき身、カキフライ、干し貝柱)を生産・加工している事業者は、今後の統計公表時に自社製品カテゴリの輸出動向を確認しやすくなるため、海外展開の優先国選定に活用できると考えられます。一方で、統計区分の変更は令和9年1月分からの適用であり、過去データとの単純比較ができない点には留意が必要です。

今後のスケジュールと確認先

項目

内容

発表日

令和8年10月30日

新統計区分の適用開始

令和9年1月分(財務省「貿易統計」)

対象品目数

9品目

公表元

農林水産省 輸出・国際局輸出企画課

問合せ先

代表 03-3502-8111(内線4330)、ダイヤルイン 03-6744-7045

統計の実際の公表は財務省「貿易統計」で行われるため、令和9年1月分のデータが公表されるタイミングで、該当品目の輸出実績が初めて個別に確認できるようになります。

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まとめ

パックご飯や即席味噌汁、ラムネ等の炭酸飲料など9品目について、令和9年1月分の財務省貿易統計から輸出実績が個別に把握できるようになります。背景には2030年の輸出額5兆円目標があり、品目別データの精緻化が今後の輸出施策や事業者の販路戦略に活用されると考えられます。あなたの産地や取扱品目は、この9品目に含まれていますか。あなたの現場の声を、記事下のアグリコメで聞かせてください。

現場で使える!専門用語ミニ辞書

貿易統計(ぼうえきとうけい)
財務省が公表する、日本の輸出入の金額・数量・相手国などをまとめた統計。輸出戦略を検討する際の基礎データとして使われる。
輸出統計細分(ゆしゅつとうけいさいぶん)
貿易統計における品目分類をさらに細かく区分したもの。細分が設けられることで、特定商品の輸出実績だけを取り出して分析できるようになる。
農林水産物・食品輸出5兆円目標
政府が掲げる2030年までに農林水産物・食品の輸出額を5兆円にするという政策目標。輸出施策の立案や予算配分の基準となっている。

参考

一次情報(原文)を確認する

アグリコメ 1

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  • 編集部ノウカラ編集部

    【編集部より】現場の皆さんは、自社やお取引先が扱う輸出品目は今回の統計細分新設の対象に含まれていますか?輸出戦略への影響も含めて教えてください。

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