AGTECH
海外のスマート農業・自動栽培・農業ドローンの最先端を、農業ベンチャー向けに解説します。
農業の気候資金、わずか2.5%2025年11月9日からトルコ・アンタルヤで開幕するCOP31(国連気候変動枠組条約締約国会議)を前に、農業分野への気候資金の少なさが改めて注目されている。公的気候資金のうち農業・土地利用システムに回る割合はわずか2.5%。一方でこの分野は…
健康データ急増、解釈は未整備健康データは増えたが「意味づけ」が追いついていない ウェアラブル端末や連続血糖モニター(CGM)、手軽な血液検査、遺伝子情報などにより、消費者は以前は医療機関でしか得られなかった生体データに日常的にアクセスできるようになった。だが、投資家の…
米で発酵量産拠点、来春稼働精密発酵(微生物を使ってタンパク質や化学物質を作る技術)を手がけるスタートアップにとって、ラボでの成功と商業生産の間には大きな壁がある。米コーン加工・バイオマニュファクチャリング大手のPrimientは、この壁を埋めるためのスケールアップ施…
食品残渣で昆虫タンパク量産フィンランドの昆虫ベンチャーが年5000トン工場を稼働 フィンランドの昆虫農業スタートアップ「Volare」が、同国ポリ市に産業規模の生産施設を完成させた。投資額は1500万ユーロ(約16.6億円)で、予算内・予定通りに竣工したという。年間…
微細藻類量産、印度に新工場結論:製糖副産物と光を使う新技術が商用化段階へ イスラエルのバイオテック企業Brevel(ブレベル)は、インドのコングロマリット企業The Wave Group(ザ・ウェーブ・グループ)と50対50の合弁会社を設立し、インド・ウッタル・プラ…
食農データAI、建設大手が買収AIで複雑な企業データから実用的な知見を引き出すスタートアップ「Lumi AI」が、建設業向けプロジェクト・情報管理大手の米Newformaに買収されました。買収額は非公開ですが、この事例には資金調達環境が厳しい中でアグリテック・フードテッ…
培養肉工場、匿名業者が買収打診培養肉(細胞を培養してつくる代替肉)の有力企業だった米Believer Meats(旧Future Meat Technologies)が破産管財手続きに入り、ノースカロライナ州の大型生産施設をめぐって新たな買収意向書(LOI)が提出された…
アグリテック資金調達動向:ヨーグルト廃棄物発電とバイオ炭結論:アグリフードテック投資は「廃棄物の価値化」と「フロンティアテック」に二極化 2024年後半の海外アグリテック業界では、食品廃棄物をエネルギーに変える取り組みと、AIやロボティクスなどの先端技術(フロンティアテック)への大型投資が同時進…
精密発酵工場の資金難から学ぶアグリテック投資精密発酵(センサーや微生物発酵技術を用いてタンパク質などの食品原料を製造する手法)の分野で、世界初をうたう専用製造施設が深刻な資金難に陥っている。米インディアナ州の受託製造会社Liberation Bioindustries(リベレーション…
米国アクアカルチャー産業の投資課題とは?規制とVCの壁米国は世界最大のアグリフードテック投資国でありながら、養殖業(アクアカルチャー)への投資は限定的にとどまっています。投資会社Hatch Blueの最新報告書によると、問題は単純な資金不足ではなく、「許容できる期間で必要なリターンを出せる投資…
除草ロボCLAWSとは?光パルス除草の仕組みと費用対効果農業現場での除草は、人手不足や除草剤規制の強化により大きな課題となっている。英国のアグリテック・スタートアップEarth Roverは、化学薬品を使わず「集光した光パルス」で雑草を枯らす自律ロボット「CLAWS(Concentrated L…
農業・食品業界を狙うランサムウェア急増の実態と対策フランスの大手スーパーマーケットで相次いだサイバー攻撃は、食品・農業業界全体への「警鐘」だと、脅威インテリジェンス専門の非営利団体Food and Ag ISACが指摘している。スマート農業の普及でトラクターからセンサー、クラウド管理システ…
レーザー除草のCarbon Robotics、人員削減の背景を分析米シアトル発のアグリテック企業Carbon Roboticsが、人員削減を発表した。レーザーで雑草を焼却する「LaserWeeder」で知られ、年商1億ドル(約150億円)を超え、IPO(新規株式公開)も視野に入れる急成長企業だけに、業界内…
IMIOが12億円調達、残渣から養分を引き出す新微生物技術米国のアグリテック・スタートアップIMIOが、1200万ドル(約12億円超)のシードラウンドを完了した。これにより累計調達額は1650万ドルに達した。本ラウンドはSofinnova Partnersが主導し、Chipotleのベンチャーファ…
農業ロボット実証拠点Reservoir、米ワシントン州へ拡大の意味米国の農業ロボティクス支援組織「Reservoir」が、ワシントン州ヤキマバレーに新たな実証拠点「Reservoir Farms Washington」を2027年春に開設すると発表した。果樹とブルーベリーという新分野への展開であり、会員と…
Kodamaが7億円調達、林業向けフィジカルAIで遠隔操作を実用化米カリフォルニア拠点のスタートアップKodama Systemsが、林業向けフィジカルAI(現実世界で動くロボットを制御するAI技術)の事業拡大に向けて700万ドル(約10億円超)のシードラウンドを完了した。本記事では、同社の技術内容・経済…
綿花トレーサビリティ最前線:データだけでは不十分な理由綿花から1枚のジーンズができるまでには、農家・協同組合・ジン工場(繰綿工場)・紡績業者など多数のプレイヤーが関わる。グローバル研究団体Cotton Diariesが2024年に公表した調査「WhoMadeMyCotton」の第4弾は、サプラ…
培養肉破綻の裏側:Believer Meats債権者が工場入札検討の全容培養肉(動物の細胞を培養してつくる代替肉)スタートアップのBeliever Meats(旧Future Meat Technologies)が破綻した後、米ノースカロライナ州の生産施設をめぐり、主要債権者が自ら施設買収に乗り出す動きを見せて…
フードテック新手法とは?スイスFOOD FOUNDERSの事業開発モデルフードテック業界では「技術ありき」の開発が投資家の関心は集めても、実際の産業課題解決に結びつかないケースが多く指摘されてきた。この記事では、スイス発のベンチャースタジオFOOD FOUNDERS Studioが採用する「課題起点」のベンチャ…
牛のゲップ由来メタンにワクチン ArkeaBioが15億円調達牛のゲップから排出されるメタンガスは、地球温暖化に影響する強力な温室効果ガスとされる。この課題に対し、飼料添加物や品種改良ではなく「ワクチン」というアプローチで挑む米ボストン発のスタートアップ、ArkeaBio(アーキアバイオ)が、シリーズ…
FBNとGoogleが農業AIに取り組む理由と文脈データの重要性農業向けAIツールの多くは一般的な助言にとどまり、個々の農場の土壌・作物・地域の気象パターンに結びついた提案ができていない。これを解決すべく、米国の農業ネットワーク企業Farmers Business Network(FBN)がGoogle…
3Dプリント代替魚肉のRevo Foods、2027年Q3黒字化の実力とは3Dフードプリンティング(食品を層状に積み重ねて造形する技術)を使い、代替シーフードや代替鶏肉を製造するオーストリア企業Revo Foodsが、2027年第3四半期までの黒字化を目標に掲げている。本記事では、同社の技術的な到達点、売上・資金…
UV-C農業ロボットAntobot、2027年に300台展開目指す理由UV C光でイチゴの病害を防ぐ自律走行ロボットを展開する英国発スタートアップ、Antobotが事業拡大を加速させている。2027年までに300台のロボット展開を目指すという目標は、化学農薬に依存しない精密農業(センサーやロボットで圃場を区画…
RNAi農薬は主流化するか?SenseUPの技術と経済性を検証RNA干渉(RNAi、特定の遺伝子だけを狙って機能を止める技術)を使った農薬は、従来の化学農薬に代わる選択肢として注目されてきたが、実用化には「安定性」「コスト」「適用範囲の狭さ」という3つの壁があった。ドイツのスタートアップSenseUP…
塩害耐性小麦の実用化へ OlsAroが5.5億円調達の意味世界の耕作地の約1割は塩害の影響を受けているとされ、干ばつや高温もあいまって穀物生産への圧力が強まっている。そうした中、スウェーデンのアグリテック企業OlsAroが、塩害耐性のある小麦など作物の開発を加速するため、500万ユーロ(約5.5億…
アグリテック投資動向2024:資金調達と提携の最新事例集世界のアグリテック業界では、化学プラットフォームから精密農業、代替タンパク質まで幅広い分野で資金調達とM&Aが相次いでいる。本記事では直近の主要な資金調達・提携・政府支援策を整理し、technology(技術内容)・経済性・導入規模の3点か…
英UKATC、人員6割削減の衝撃 スマート農業支援はどう変わる英国の公的アグリテック支援機関「UK Agri Tech Centre(UKATC)」が、従業員数を130人から50人へと約60%削減する組織再編を発表した。単なるコスト削減ではなく、直接の実証試験・検証業務からパートナー連携による「マッチ…
AIセンサー搭載トラクター、Valtraが工場出荷で標準化へデンマーク発のアグテック企業PerPlantが、AGCO傘下のトラクターブランドValtraのカスタマイズ部門「Valtra Unlimited」と提携し、AIを活用した作物センサーを新車のトラクターに工場出荷段階で装着できるようにした。農…
更新可能な生物農薬とは?Molagriが5.8億円調達の衝撃害虫が農薬に耐性を持つたびに新薬を開発し直す――この長年の課題に、カナダ・トロント発のスタートアップMolagriが挑んでいる。同社は精密農業(センサーやデータで圃場を区画ごとに細かく管理する手法)の考え方を農薬設計に応用し、害虫の進化に合…
アグテック資金調達2025:企業動向とESG後退の実態アグリフードテック業界では、資金調達ニュースとESG(環境・社会・ガバナンス)方針の転換が同時並行で進んでいる。本記事では、海外メディアAgFunderNewsが報じた最新動向をもとに、資金調達の実態と気候報告を巡る政策の揺り戻しを整理し、…
農場で作るグリーンアンモニア 新触媒技術の実力化学肥料の原料となるアンモニアは、従来のハーバー・ボッシュ法では大規模工場と大量のエネルギーを必要とし、製造過程で多くの二酸化炭素を排出してきた。この課題に対し、アイスランドのスタートアップ「Atmonia」は、水素を事前に製造・貯蔵せずに…
EU農業研究、現場実装の壁と資金戦略を分析EUの農業研究は世界トップレベルの水準にあるとされるが、「研究から実用化までのスピードが遅い」という課題が長年指摘されてきた。本記事では、欧州委員会が主催した「EU AgRI 2040」会議での議論をもとに、EUがどのように研究成果(R&I…
Resurrect Bioの遺伝子編集が拓く無農薬の病害抵抗性病害虫に強い作物を化学農薬なしで実現する——そんなアプローチを英国のバイオテック企業Resurrect Bioが進めている。本記事では、同社が開発するAIプラットフォーム「FloraFold」の仕組みと、技術・経済性・導入規模の観点から、こ…
精密発酵で乳タンパクBLG量産へ 仏Verleyの戦略とは精密発酵(微生物を培養してタンパク質などの成分を生産する発酵技術)を使い、ホエイ由来の機能性タンパク質「ベータラクトグロブリン(BLG)」を製造するフランスのスタートアップVerleyが、量産体制の構築を本格化させている。共同製造拠点で20…
象の鼻型アーム果実収穫ロボ、Picker社の経済性を解説果樹の自動収穫というと、アームで果実をつかみ、引き抜き、コンベアに置く「ピック&プレース」方式が主流だった。しかしイスラエルのスタートアップPicker AgRoboticsは、象の鼻のようにしなやかに曲がる中空アームを使い、果実をつかまず…
フードテック投資の新潮流 栄養×健康とAIが焦点にフードテック投資は2020年代前半の代替プロテインブームとその後の調整局面を経て、新しい投資テーマへとシフトしつつある。本記事では、イスラエル・欧州拠点のフードテック特化ベンチャーキャピタル(VC)「Peakbridge」の共同創業パートナ…
MycaがAIで農業現場をDX、130万ドル調達の意味とは農業現場の情報管理は今も電話やWhatsApp、Excelに頼っているケースが多い。こうした非効率を解消しようとするインド拠点のスタートアップMycaが、130万ドル(約2億円)のプレシード資金調達を実施した。本記事では、同社の技術的な仕組…
Twiga破綻が示すアフリカ農業テック資金調達モデルの転換点ケニア発の農業マーケットプレイス「Twiga Foods」が管財人管理下に入ったことは、アフリカのアグリフードテック業界に大きな衝撃を与えた。本記事では、累計1.85億ドルを調達しながら破綻に至った要因を技術・経済性・資金調達規模の3軸で整…
農業DXの死角、アグリフード業界を襲うサイバー攻撃の実態結論:食のデジタル化はサイバーリスクと表裏一体 精密農業(センサーで圃場や設備を区画ごとに監視・制御する手法)やAI、自動化の進展は、生産性向上の一方で新たな攻撃対象を生み出している。本記事では、2025年に業界を揺るがした実際のサイバー攻…
デンプン蓄積を増やす遺伝子編集で作物収量に挑む技術イスラエルのスタートアップClimateCropが、植物のデンプン蓄積量を10〜15%増やす遺伝子編集技術を開発し、ジャガイモ・トマト・カノーラ・ソルガムなど複数の作物で同様の効果を確認したと発表した。気候変動によるストレス耐性向上と収量改…
森林再生×機関投資家マネー 連続被覆林業の経済性とは森林を一気に伐採せず、少しずつ間伐しながら管理する「連続被覆林業(Continuous Cover Forestry、以下CCF)」に、機関投資家の資金が本格的に流れ込み始めている。自然資本に特化した資産運用会社SLM Partnersは、…
窒素固定微生物を切り替え制御、Bayerが提携した理由窒素固定微生物を使ったバイオ肥料開発で、米スタートアップのSwitch Bioworksが独Bayer Crop Scienceと戦略的提携を結んだ。植物の根に定着してから数週間後にアンモニア生産を「オン」にする独自の切り替え技術が評価され…
GLP-1薬が変える作物の栄養密度と精密農業の経済性肥満治療薬「GLP 1」の世界的な普及が、意外な形で農業に変化を迫っている。摂取カロリーを減らすこの薬の広がりが、長年放置されてきた「作物の栄養密度低下」という課題に、ついて市場価格をつける契機になるかもしれない――英VC企業Deep Sc…
土壌センシング企業Stenonに肥料大手Yaraが出資 精密農業の最前線肥料価格が中東情勢の影響で高騰するなか、土壌の窒素量をリアルタイムで計測するドイツのスタートアップ「Stenon」に、世界最大級の窒素肥料メーカーであるノルウェーのYara Internationalが出資したことが明らかになった。本記事で…
再生型有機農業は栄養価も高い?最新データ検証再生型有機農業(リジェネラティブ・オーガニック農業:土壌の健康を回復させながら作物や家畜を育てる手法)で生産された食品は、従来の農法による食品よりも「測定可能なレベルで栄養価が高い」可能性がある――。米国の再生型オーガニック認証団体Rege…
代替卵白の特許訴訟、EVERYがOnego Bioに勝訴精密発酵(微生物を工場で培養し、卵や乳由来のタンパク質を作る技術)で卵白タンパク「オボアルブミン」を製造する米EVERY CoとフィンランドのOnego Bioの間で続いていた特許訴訟に、米デラウェア州連邦地裁が決着をつけた。Onego側の…
海外アグリテック資金調達動向2024:微細藻類・AI農業の最前線海外のアグリテック業界では2024年、微細藻類由来の代替タンパク質、レストラン向けAIエージェント、温室センサーのサブスクリプション化など、技術・経済性・導入規模の異なる複数のトレンドが同時進行している。本記事では海外メディアAgFunde…
米国農業ドローン市場が混乱、DJI規制で新規販売60%減の実態米国の農業用スプレードローン(農薬や種子を散布する小型無人機)市場が、規制の変化により大きな混乱に直面している。米連邦通信委員会(FCC)が外国製ドローンの新規販売を禁止する決定を下してから10カ月、業界団体アメリカン・スプレー・ドローン・…